日記

映画『万引き家族』が問題としていることは何か?


 

小説や映画というのは

人間の業を説いたもので

何を希望として生きていくのかを

教えてくれる

 

先日、万引き家族を見に行った

 

内容を説明するのが難し過ぎて、

どう伝えたらいいのかわからない

とりあえず、見てとしか

言えない映画だ

 

これを見ながら、

ただ、見ながら、

じゃあ、どうしたらいいのか

という疑問もわいてこないくらい

あまりにも問題が複雑に絡みすぎていて、

何をどうしたらいいのか

どうすべきなのか

一概に言えなさ過ぎて

わからない

 

それくらい

日本の社会問題が全部といっていいくらい、

この映画に表れている

 

あえて言えば

最も厄介な問題は孤独と孤立であり

どこにどういう人たちがいるのか把握できないため

手遅れになってしまう

孤児は行政の目にとまれば施設に入れることができ

教育も衣食住を与えられ救われることになるが

まったく社会から離れて生活すると、

どうすることもできない現実がある

 

孤立と孤独、そして貧困は

悪という概念を曲げてしまう

 

あの家族は

安藤サクラさんが言うように

みんな誰かに捨てられたから

拾ってきたもの

奪ってはいない

捨てる方が問題だと

 

映画のキャッチコピーが

「盗んだのは、絆でした」

とあるように

血でつながっていなくても

何か結びつけるものがあれば

家族は成り立つ

 

これは逆説的に

じゃあ、家族って何だ

ということになる

 

血でつながっていても

居心地の悪さはあると伝えている

 

だからといって、

血縁関係でも法的に家族でも

相手を思いやる気持ちがなければ成り立たない

 

思うに、

家族が家族である理由は

互いの思いやりである

 

父親目線で見るからか

リリーフランキーさんが

終始男の子を可愛がるシーンが満載で

こんないい人がなんで社会から孤立するかなあと思った

 

盗みという行いが習慣化されると業に引っ張られ、

業がさまざまな苦難をもたらす、それでも

そうしないと生きていけないスパイラルから抜け出せなくなり、

だけれども何とかして生きて行かないといけない

その辛さを誰も分かってくれない孤独と孤独が出会い、

居心地のよさという形で結ばれる、

 

みんな大なり小なり

そういう孤独を抱えて生きている

 

見終わった後

息子と妻と待ち合わせをしたところで

落ち合った瞬間、思わずニッコリした

そして、

家族とはいいものだという

嬉しさが沸き起こり

息子の頭をなでている自分がいた



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