私は以前、息子さんを自死で亡くしたところの葬式を執り行いました
先日、49日の法要の時に
「ゆっくり、前に進んでいきましょうね」みたいなことを言って
自分は何もわかっていなかったなぁいということが尾角さんの講義や本を読んで気が付きました
尾角さんの本を引用します
>「解決」とは何でしょうか?
悲しみが終わることでしょうか
あるいは、
一度絶たれたつながりを
回復することでしょうか
それとも、
なくなった原因が
解明されることでしょうか
かけがいのない人を
なくしたときの悲しみや苦しさは
黒から白へ、
ポンと飛び越えるように
変わるものではなく、
グラデーションの中を
行ったり来たりするものだと思います
実際、経験しないとわからないと言われますが
始めから“わからない”で済ませず
“わかりたい”という意志が最も大切。
たとえ、家族の自死を経験したとしても
人それぞれ、想い、感じ方が異なり
家族によっても、
夫婦によっても違ってくるかもしれません
だからこそ
相手の気持ちは究極的にはわからないのかもしれませんが
わかろうとする意志と逃げない努力が必要でしょう
>夜の闇は真っ黒ではなく、
深くて濃い紺の色をしている、
闇を表現したい時に
真っ黒に塗りつぶすと
不自然になるのだそうです
自然の世界の、
あるがままの空の闇が黒ではなく、
紺なのは、
そこにはかすかに
光がさしているからでしょうか
また
>希望というのは、どこにあるのか
光りはいったいどこに見出すのか
それは明るいところに
みつけられるものではなく、
真っ暗闇の、
どん底の悲しみの中から
生まれてくるんだ
ということ
その希望、光を見つけるまでが
その方にとっての長いトンネルなので
そこに一緒に伴走していくことが
寄り添うということになるのかもしれません
これはスキル、技術ではなく
こうしたら、こうすればいいという解決策はなく
対応する方の“あり方”が問われることになります
あり方とは“生き方そのもの”を試されるでしょう
日々どのようなことを考え
どのような習慣を送っているか
僧侶は職業ではなく生き方であると言われる所以はそこにあって
今、僧侶が問われているのはそこなのでしょう
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