最初のお経
「願わくば我が身浄きこと香炉のごとく」
(どうか、私の身が香炉のようにきよらかになりますように)
「願わくば我が心浄きこと智慧の火のごとく」
(どうか、私の心が智慧の火のようにきよらかになりますように)
智慧とは、好き嫌いとか損得勘定で判断しないさとりの心です
最初にこのお経を唱えるということは
どういう意味があるのかを考えますと
さまざまな人生経験の中で
ふと、立ち止まって内面を見つめる時間ができると
この世の価値観では救われないな
という気づきが湧き起こってくるかもしれません
そこで、
まずこの自分を清らかにしたい
変えていきたいという願いができるはずです
漢字の成り立ちを見てみますと
「我」という字は矛を表すものだそうです
私たちはどれ程、言葉による「矛」を使ってきたでしょうか
身につけているものが「武器(矛)」である以上、
オレが、オレが、と危ないものを振りかざすことになります
まずは自分(矛)なのですが、
この自分から離れていかないと、
本当のものを頂戴することができません
お経を唱えていきますと
気がついたら「我が願い」という自分にしか見えてこなかったものから
「衆生(みんな)の願い」という内容に変化していきます
お経を読むということ
仏道を歩むということ
それは「我、自分」という価値観から
いかに離れていくかというです
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