いつも親しくさせていただいているお寺さんのお婆様がご往生され、住職と義母と私でお通夜と葬式に伺いました。
96歳という天寿を全うしたご往生だったおかげもあって、寒い日でありましたが終始和やかな雰囲気で執り行われました。
なによりも。
お花を棺の中に入れさせていただいた時に拝見したご尊顔は大変美しかったのであります。
互いに笑顔と涙が出る、いいお葬式でありました。
いいお葬式をするには執り行う側がしっかりした死生観を持っていなければ成り立たないと思います。
つまり「どこに行くのか、そこはどんなところか」ということをうやむやにせず、はっきりと理解しておかないといけません。
それがないから葬式も法事も成り立たませんし、死と向き合うことをしなくなります。
だから、最近は葬式をせず、そのまま火葬するというところが増えるはずです。
それはただの遺体処理でしかないように思います。
自分の番になったら自分もまたそういう扱いを受けるだろうと思っていたら、それこそ生きているうちが花、金こそご本尊、南無お金、南無マネーの唯物論になります。
葬儀は何のためにあるのかと言いますと。
亡き方を次の世界(極楽浄土)にお送りし、別れを告げ、亡き方とのケジメをつけ、残された者が明日に向かって頑張って生きていくことであります。
マイナスをプラスに変えていく力をつけるのです。
ここをしっかりとしないと、後できっと後悔しますし、そのことが気になって、いろんな病気にかかる方を私は多く見てきました。
たとえば、拝み屋さんにいって相談したり、占いや精神科医に走るようになります。
死の問題は宗教でしか解決できないと思っています。
生きることは苦しいこと、その苦しみをどのように付き合うかを仏教は教えてくれるのです。
南無阿弥陀仏
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