仏教の話

総理演説中のあの事件や世間を震撼させるニュースで思うこと


 

総理演説中のあの事件や

世間を震撼させるニュース事件で思うこと

 

容疑者の親御さんを不憫に思う

その喪失感はいかばかりかと

言葉で表すことができない

 

子どもが何か大変なことを犯すたびに

私は2600年前のインドである悲劇を思い出す

 

当時インド最強の国、マガタ国での唯一の悩み

それは跡取りの王子がさずからないこと

 

占い師に相談すると

5年後に山で修行している修行者の命が尽きたら

その生まれ変わりで跡取りが誕生しますよ

と言った

 

しかし、

5年も待てないなかった

修行僧の命を尽きたらいいということで

その修行僧を殺す、ことにした

 

300兵を連れて、修行僧の血が飛んだ

「この恨み、絶対次の世で晴らしてみせる」

と国王夫婦をものすごい形相で睨みつけた

 

やがて、すぐに夫人が身籠ったが

 

「その子は必ずご両親を殺しますよ」

という占い師の言葉に追い詰められ

ついに我が子を殺そうとする

 

2階から槍がたくさん建てているところから

我が子を落とすが、不思議なことに足の小指を切り落とすぐらいの怪我ですむ

 

何度も何度も、夫婦は悩むんです

「この子が私たちを殺そうなんてしないよね」

そういって

大切に育てるのですが

阿闍世と名付けられたこの子は

この国の弱点につけこんだ人物のそそのかしにより

だんだんと凶暴な性格になっていく

 

夫妻は物質的には不自由なく過ごしているけど

肝心のところがうまくいかない

 

この時期ぐらいからだんだんと国王夫婦は

お釈迦様へ相談し、ご説法を聴くようになるが

どうしても我が子を腫れ物のように見てしまう

 

そのような育て方をするため

阿闍世王子が優しい心が芽生えるはずがなく

自分はダメな子なんだと自信をなくしていき

非行に走り、自分の父親である国王にたてつくようになり

しかも、いつのまにか国王より権力を持つようになり

クーデターを起こす

 

ある時、

国のスパイがいるんでしょうか

王子様の側近に悪い方がおりまして

阿闍世はそそのかされるんです

「王子様、ご両親は貴方の命を狙っていますよ、

右足の小指がないのはその時のものです」

 

これがきっかけで

阿闍世は父親を牢獄に入れ、餓死させようとする

これを止めようとした母も牢獄に入れる

 

親としては一番辛いことは子供から足蹴にされること

 

お釈迦様がそのことを知り

マガタ国に立ち寄り、イダイケと面会しますが

この時のイダイケの愚痴が凄まじかったと言われています

 

どうして私はこのような目にあわないといけなかったのでしょうか

あの子は本当は優しい子なんです、本当はね・・

そそのかした側近が悪いんだよ!

 

その時のお釈迦様はどのように対応していたかというと

ただただ、黙って話を聞いていました

おそらく半日ぐらい、聞いていたのでしょう

無言という説法というか、

今でいうところのグリーフケアだったのでしょう

 

イダイケが愚痴を出し切って憔悴して、心の荷物が整理された時

お釈迦様に問いかけます

どうか、清らかな世界を見せてください

そこでお釈迦様は笑顔を見せ、極楽浄土の世界をイダイケに披露し

イダイケがこれによって救われていく

 

親の苦悩とそれを取り戻した話

これが『観無量寿経』というお経です

 

(その後、阿闍世も自分の犯した罪に苛まれ

お釈迦様の説法を聴くようになり、仏教を信仰していく)

 

 



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