仏教の話日記

儀礼が大切である理由『日本宗教のクセ』のメモ


〜お彼岸で思うこと〜

 

亡くなった方を

生きているわけではなく、土に還ったわけではなく

お墓というもので「死者」という概念を生み出した

 

もう生命はないんだけど

今も私たちの傍にあり、

考えや行動に影響を及ぼす

 

それにより亡くなった方を意識した生き方が出る

あの人が生きていたらどうするだろう?

あの人が生きていたら自分の生き方をどう評するだろうか?

という物事を考える上での基盤となる

 

では

超越的な存在と生身の人間が

どのようにしてコミュニケーションを取るのか

それが儀礼であり、

それは適切な作法を守らなければならない

 

その儀礼を習得して、実行できる人が「大人」として遇され

それができない人は「子ども」扱いされる

 

作法、儀礼を知っているかどうか、

それが人間の成熟のひとつの基準となる。

 

知識として学ぶということではなく、

生活の中で、さまざまな人と関わって

経験を積んで、だんだんわかってくる

 

先達は「こういう場合はこうするんだよ」

と教えてくれる

けど、どうしてそうするのかは、理由は知らない

それを実践してきた先達たちの実存的な確信を通じて会得される

 

子どもと老人では「死者の切迫」に対するリアリティが違う

死んだら無生物になって「おしまい」というのではなく

何年か、何十年かの間、生きている人の世界に「死者」というステータスでとどまることを実感として知っている

 

子どもは「死者」という概念が熟していないから

「死んだらそれっきり」、だから死ぬことを怖がる

 

『日本宗教のクセ』(内田樹、釈徹宗)のメモ



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